ダイバーシティを考える
ダイバーシティを知ったのは2009年ごろ、「バイオダイバーシティ(生物多様性)」が国連大学ででかでかと掲示されていたからだった。
生物多様性という言葉をきちんと知るまで、「地球にやさしく」とか「自然を大切に」といった言葉と同義なんだろうと、勝手に考えていた。
しかし「多様性」という考え方は生物だけでなく、商品や経営方針、果ては人生にまであてはまるんじゃないかと、最近考え始めた。
単一な種類からでなく、多様な種類がいることで競争し、最終的に優秀な個が残るという考え。そこからさかのぼって、多様な状態を維持しようとすること。
生物多様性っていう言葉は、「いろいろな種類がいるから良い」と言っているわけでなく、言葉どおり「いろいろな種類がいるという性質」を言っている。
すぐにビジネスと結びつけて考えがちだが、商品についてもそれが言えると思う。
ある商品が爆発的に売れたからといって、その状態がずっと続かないのであれば、いずれ競争状態になる。その際に必要なのが多様性。いろいろな種類がいる状態からもっと優秀な商品が開発され、発売される。
(このあたりは感覚的にも分かると思う。)
そう考えると、「種類が減ること」は優秀なものが残らなくなる可能性が高くなることを意味する。
競争状態でないから、独占が起き、それより優秀なものが生まれなくなる。
周りを見て、どうか。
商品についていうと、スターバックス、吉野家、セブンイレブン、・・・いわゆるチェーン店が各地にでき、それまであった地元の店舗は姿を消した。
それまで家族経営でやっていた店舗は独自の経営スタイルを変え、全国どこでも目にすることができるチェーン店への転換を余儀なくされた。
おかげで全国どこへ行ってもセブンイレブンがあるし、スターバックスのコーヒーが飲める。
「多様性」という言葉でいえば、働き方も当てはまる。
仕事優先、家庭優先、会社優先、個人スキル優先。この働き方の状態が見直されてきているのはご存知のとおり。
仕事や会社一筋だった働き方から、家族や自分の時間を大切にする「ワークライフバランス」型への転換。
先の大地震ではカタストロフィによってパラダイムシフトが起こり、自分にとって大切なものの順序が変化した。そして3.11後、家族を大切に、限られた自分の時間を有効に使うことも多少是認されるようになったように思う。
生き方も、考え方も、ルールも、全て単一化されてしまったとき、「その他の可能性」は非常に希少になる。そしてそのとき、わずかな可能性は価値を持つ。それは多様性への可能性としての価値。
だから人間は希少なものや数が少ないものを大切にするのではないか。
数が減って絶滅寸前の動物、数が減った美しい自然、純朴な日本の子供。
こういうものを大切にしなければ、と思うのは、きっと自分のDNAにも多様な生物の、気の遠くなるほどの営みから繰り返された歴史から生まれたんだろうな、と考えるとより「多様性」が愛しく感じられる。
生物多様性 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%A4%9A%E6%A7%98%E6%80%A7
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