「がんばった人」が給料が高い訳では無い件
HTMLすら書けない人が、WEBプロデューサーをやっている事例を知っている。WEBプロデューサーがWEBのことに詳しいかというと、そうではない。(事実その人は、HTMLタグの意味を理解していなかった。)
一般的に求人募集では、WEBエンジニアという職種よりWEBプロデューサーの方が給与が高い。逆に、フレームワークやサーバの仕組みを良く知っているエンジニアの方が給料が安い。
以前働いていた職場では、会社の中で一番WEBシステムに詳しいエンジニアが、最初に解雇の対象になっていた。それは仕事の能力やスキルとは関係なく、社内政治的な経緯だったり、その人の態度や人間関係からの結果だった。
これはその人がエンジニアだったことにも関係しているかもしれない。そしてそれは、雇用を継続するということだけでなく、給与の額にも当てはまって言えることかもしれない。
つまりある一部の企業では、スキルや能力と給与は比例しないということだ。技術や、スキル、能力以上に、社内政治力やコネクション、ネゴシエーションが評価対象になる。
評価の対象になると言うことの意味は、給与が高いということだ。給料が安いということの意味は、その人の生活が、そして人生が決まってしまうということだ。何か買うときにも値札を見て購入を諦めることは、人生の選択の幅を狭めることだ。
だからどんなに頑張っても、スキルがあっても、能力があっても、技術があっても、運やタイミング、要領の良さ、狡猾さ、口先の巧さには勝てない場合もある。
これまでそうやって生きていた人たちと、どうやって対等か、それ以上にわたり合えるだろう?
野球だけをやってきた人が、どうやってプロのサッカー選手たちと同じ評価を得ればいいのだろう?
もしそれでも生きて行かなければいけないとしたら、肩の力を抜いて自然体で行くしかないのではないだろうか?企業に依存しない生き方、ノマドやら草食系やらロハスやらというキーワードが流行っているのはその象徴なのかもしれない。
自分が新人のころ、よく「残業なんかしてる奴は仕事が遅い奴。効率が悪い奴」と言われた。仕事が速くて効率のいい人は残業はしない。
だけど一部の企業ではそこの理解も異なっている。遅くまで仕事している人が頑張っているのだと。これでは仕事が遅くて、効率の悪い奴が「頑張っている人」になってしまう。
企業によってまったく逆転現象が起きてしまうのだ。
他人を巻き込める人=他人に仕事を丸投げで切る人 ではないし、自己表現できる人=自己中で我儘な人格破綻者 ではない。
もし野球をやってきたのであれば、プロのサッカー選手と競うのではなく、野球をやってきた人たちの中で自分の居場所を見つけなければいけないんじゃないだろうか。エンジニアをやってきた人間が、ずっと営業をやってきた人間の中でどうやって同じ評価を得られるだろう。
一生懸命、泥臭くてもいつか報われる、という時代は終わった。自分は自分で生きていかなければいけない。
幸か不幸か、今はかつてよりも環境が選べる。自分が合っていないと感じた場所に食らいついていかなくても、何とか生きていける。だからノマドというキーワードがはやる。そしてそのライフスタイルがもてはやされる。
ある一部の会社において、エンジニアがノマド的なライフスタイルを求めるのは当然なのかもしれない。
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