日本語の深さに思う
最近、日本語の奥深さを改めて感じることがあったのでエントリー。
お陰様
よく、「おかげさまでうまく行きまして」などと使うことがあったが、「おかげさま」、もっと言うと「おかげ」の「かげ」って何だろう?と思った。イメージでは、「縁の下の力持ち」のような「目には見えないが確かにその力の影響をうけるもの」を定義していた。
しかし、調べるとその言葉にはもっと深かった。
語源由来辞典:お蔭様
http://gogen-allguide.com/o/okagesama.html
古くから「陰」は神仏などの偉大なものの蔭で、その庇護を受ける意味
「御影(みかげ)」や「みたま」「死んだ人の姿や肖像」を意味することにも通じる
額面通りに捉えると、死んだ人の上で今の繁栄があるということか。
誰かが犠牲になったから、その人がうまくいったと。
ちょっと怖い気もするが、そういう捉え方をすると納得できる気もする。
人の歴史を見れば人が進歩してきたのも、過去の人達が作り上げてきた文化を継承してきたからで、ある日突然今の文明が生まれるわけじゃない。そこにはおびただしい過去の人達の人生とそれぞれの残してきた遺物がある。その上に今の自分たちの生活なり、文化がある。
自分たちが食べるものにしても、畑を耕し、種をまき、収穫して加工し、それを口にするまで、本来は気が遠くなる過程があったはずだ。(現在ではオートメーションが進んでそれを感じなくても食べ物が食べられる。それが生命の神秘や重要性を奪う理由の一つになっている気もする)野菜はもちろん、肉食ならばもっと複雑で手が込んだ過程を経なければならなかった。
そうした目に見えないものや人の上で、自分自身が存在している。それが「お蔭様」だった。
全てが直接的に効果の見える物質社会では、目に見えないもの、数値で測れないものは切り捨てられ、存在価値を否定される。
(その現象が過度に感じるようになった故に、現代の一部の人が霊的なものや心理的なものに真理を見出そうとしているのだと思う)
しかし人間は、直接関わることがなくても、目に触れることがなくても、想像力や体験を通してその事象の前後関係や背景にあった事象を想像することができる。
最近のニュースを見ていると、どうも想像力に欠けているような出来事が多いような気がした。
ジョンレノンは「イマジン」という歌を歌ってヒットしたが、そんなラブ&ピースな思想がなくても、想像力を働かせて物事の背景や過去の歴史を読み解き、未来に実践ができるようなことができるように思える。
・・・と、何だか偏屈じみてきたけど、やっぱり「言霊(ことだま)」はある意味存在すると思うし、「ことば」は単なる記号ではないんだろうな、と思う。
英語上達したいな、と思う一方で、ことばはその背景にある文化や歴史を背負っているのだと。
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